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No.1
 
十余年の歳月を経て、今、あらためて思うことを率直に述べるとすれば、

トレードは難しいものであり、相場は最も厳しい世界であるということです。
 
失態を演じることがほとんど無くなった今でも、相場が簡単に感じられるということはありません。
 
すべてを投げ打ち、努力を重ねた結果、いくらかの上達があったとしても、絶対的な自信が身につくことなどありません。
 
なぜ、相場は人の思いどおりにはならないのでしょうか。
 
あなたは、人間の考えや行動を予測することができるでしょうか?知人や友人ではなく、
 
各国政府や機関投資家、様々なあらゆる目的を持った世界中の人間の考えや行動を読めると答える人がいるなら、
 
それは思い込みか、錯覚以外の何物でもありません。
 
電子化が進み、コンピューター技術がどこまで発展しようとも、根本的には人間が相場を動かしているのです。
 
ファンダメンタルズの追求によってさえ、確実に値動きを予測することは不可能であり、
 
いつ、誰が、どのタイミングで、どの方向に、どれだけの規模で、どの値まで動かすのか、
 
要人の事前の公表を除き、それを掌握することはできません。
 
大きな資金は、時に静かに狙い澄まし、ある時は突如、勢いよく投入されます。
 
そして、世界中のすべてのファンドや機関が一枚岩になることはなく、
 
協調介入以外では、常に抵抗勢力が存在し、どちらかの側が投げるまで戦いが繰り広げられます。
 
その結果のすべてを事前に知る能力は誰も持ち合わせていません。

為替相場を自分たちの理論で動かせると考えたヘッジファンドの多くが、皆滅んでいったことがそれを証明しています。
 
相場に足を踏み入れるということは、このような熾烈な鬩ぎ合いの中に身を投じるということです。
 
決して夢や願望を抱くような世界ではなく、個人の都合や感情を汲み取ってくれる場所でもありません。

ひたすら鎬を削る場所であり、勝ち抜いてゆけるのは、ごく限られた人間です。
 
そのために必要なことは、知識や理論武装ではなく、実践的な技術を身に付けていくことです。
 
それこそが、多くの挫折を味わいながらも、黙々と相場に取り組み続けてきた私の答えです。